EIGRPの概要 ~基礎編①~

ベル

今回の授業は、『EIGRP(Enhanced Interior Gateway Routing Protocol)の概要』についてです。EIGRPと一言で言ってもいろんな仕組みや機能があります。今回は本当に触りだけですが、学んでいってください。

 

EIGRP(Enhanced Interior Gateway Routing Protocol)とは、シスコ独自のルーティングプロトコルです。ディスタンスベクタ型リンクステート型の両方の利点を備えているのでハイブリッド型ルーティングプロトコルと言われています。

 

ルーティングプロトコルの分類

まずは、先に出たディスタンスベクタ型、リンクステート型、それからハイブリッド型の特徴について学んでいきましょう!

 

 

ディスタンスベクタ型

ディスタンスベクタ型のルーティングプロトコルとは、文字通り『「ディスタンス(距離)」と「ベクタ(方向)」で最適なルートを選択する方式』になります。簡単に言うとセグメントまでのホップ数でルートを決める方式で、代表的なルーティングプロトコルに『RIP』があります。

 

特徴

ディスタンスベクタ型の特徴としては、なんと言ってもシンプル!ただポップ数だけで経路を選択するので誰にでもわかりますが、ルートの収束までに時間がかかります。そのため、小規模のネットワークであれば問題ないかもしれませんが、中規模以上のネットワークには向いていないですね。。

 

以前、ネットワーク更改案件でRIPv1からEIGRPに切り替えた事がありました。初めてRIPv1と聞いたときに、『今時、RIPv1ですか…。』って思ったのを覚えています。そして移行当日に不要なルートをRIP側で削除したら、いつまでも収束しないことがありました。結局、主要な機器を数台選定して、5、6台同時に「clear ip route」で強制的に削除したことを覚えています。

 

 

リンクステート型

リンクステート型とは、簡単に言ってしまうと『みんなで同じ地図を持って、経路を選択する方式』です。ルータ (L3スイッチ)間の接続情報をみんなで共有し、同じ地図を作ることで最適なルーティングが可能となります。代表的なルーティングプロトコルに『OSPF』があります。

 

特徴

リンクステート型の特徴としては、同じ地図を持っており誰もが最適なルートを知っているため、ルーティングループが起きないことです。ただしリンクステート型では、同じ地図をみんなで共有するため、地図が大きくなり過ぎると地図の共有に時間がかかることがあります。

 

このような事態を避けるようにするため、『エリア』と言うグループで分ける設計が必要になったりします。また、DR (Designated Router)/BDR (Backup Designated Router)をどのルータにするかなど複雑な設計が出来るエンジニアがいないと、逆にネットワーク障害に弱いネットワークとなってしまいます。

 

ハイブリッド型

ハイブリッド型とは、ディスタンスベクタ型とリンクステート型のいいとこ取りした方式になります。ハイブリッド型のルーティングプロトコルは、EIGRPのみになります。別名として拡張ディスタンス型とも言います。

 

特徴

ハイブリッド型の特徴として、基本スタイルがディスタンスベクタ型なのですが、隣接機器のステータスを確認することが可能となります。これにより、故障の検知が早くなりました。

 

また、全ての機器で同じ情報を共有することはせず、必要な情報のみ保持することと、ネットワークへの変更も差分のみのアップデートだけにすることで、収束時間の短縮が可能となります。良いこと尽くめのように思われますが、欠点もあります。

 

それは、このルーティングプロトコルはCisco製のルータおよびL3スイッチでしか使えないプロトコルということです。Cisco製品だけで構築するネットワークでは、EIGRPが最適なダイナミックルーティングプロトコルと言えるでしょうが、Cisco以外のNECやYAMAHAルータなどが混ざる場合は使えないので、OSPFなどと組み合わせたネットワークが必要となります。

 

 

EIGRPの仕組み

EIGRPには3つのテーブルがあり、それぞれの役割を知っておく必要があります。

 

3つのテーブル

EIGRPでは、3つのテーブルを使います。

 

 

ネイバーテーブル

まず、EIGRPのネットワークを構築すると作られるのが『ネイバーテーブル』です。文字通りの隣接関係を一覧化したテーブルのことで、もっと簡単に言えば、マンションのお隣りさんをリスト化したものです。

 

そのリストにはお隣さんの『IPアドレス』『接続している自分のインターフェイス』『お隣さんになってからの経過時間』などが載っており、そのお隣さんからのルーティング情報のみを受け取るようになります。

 

トポロジーテーブル

『トポロジーテーブル』とは、ルーティングテーブルの元になるルート情報が記載されるテーブルとなります。『お隣さんから受け取った全てのルート情報』が記載されるテーブルになります。この時点では経路の優先、非優先に関係なく全てのルーティング情報が管理されます。

 

ルーティングテーブル

『ルーティングテーブル』とは、トポロジーテーブルの中から最適なルーティング情報のみが記載されるテーブルとなります。ここにはEIGRPだけでなく、「コネクトルート」、「スタティックルート」以外にも全てのルーティングプロトコルで学んだルートが記載されます。実際の通信は、このルーティングテーブルに従って行われます。

 

 

サクセサ

『サクセサ』とは、宛先ルートまでのベストパスになります。要するに一番近い経路のことですが、EIGRPではサクセサと言います。それは、次のフィージブルサクセサと関係するからですね。

 

フィージブルサクセサ

『フィージブルサクセサ』とは、サクセサがダウンした際に即座に切り替えることが出来る代替パスになります。ただのバックアップ経路がフィージブルサクセサになれるのではなく、ルート情報をもらった機器のメトリック値がサクセサのメトリック値よりも小さいことがフィージブルサクセサになれる条件となります。

 

【フィージブルサクセサになれるパターン】

 

【フィージブルサクセサになれないパターン】

 

なんで、フィージブルサクセサになれる条件が、こんなにもめんどくさいのでしょうか?これについては、次回以降の授業で解説していきます。

 

まとめ

ベル

長くなってしまったので、今回の授業はここまでとしますが、いかがだったでしょうか?このEIGRPのプロトコルについては、まだまだ勉強しなければいけないことがたくさんあります。次は、『フィージブルサクセサになれる条件がある訳とフィージブルサクセサがない場合の切り替え方』について学びましょう!

EIGRPの概要 ~基礎編②~

 

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