HSRP(Hot Standby Router Protocol) ~基礎編②~

ベル

今回の授業は、『HSRPの基礎編の続き』を学びましょう!前回の授業で、HSRPの概念を学んだかと思いますので、もう少し機能について学んでいきましょう。

 

前回の授業を受けていない方はこちらから。

HSRP(Hot Standby Router Protocol) ~基礎編①~

 

 

復習

少しだけ復習をしておきましょう!

HSRP(Hot Standby Router Protocol)はCisco社が開発したゲートウェイ冗長化プロトコルであり、ゲートウェイになる複数台のルータ(L3スイッチ)をActiveStandbyにし、Activeルータが故障したらStandbyルータがActiveルータに昇格する仕組みでしたね。

 

その切り替わりを自動で行うことで故障時に、人の手を介すことなく切り替えることが出来るのです。前回と同様、以下の構成図を使って授業していこうと思います。

 

 

切り替わり時間

HSRPの切り替わりにはHello Timeというのが関係します。Helloパケットは、デフォルトで3秒間隔で交換されています。そしてHelloパケットが途絶えてから10秒経過するとStandbyルータがActiveルータに切り替わります。つまり最大でHelloパケットを受けとった直後に故障が発生すると、次のHelloが来るまでの時間の3秒+10秒が切り替わり時間と計算されることになります。

 

 

切替りの時間のイメージは以下のような感じになります。

 

最後のHelloパケットを受け取ってから、どのタイミングで故障が発生するかによって切り替わり時間が異なってくるのです。もちろんHelloパケットの時間を変更することが出来ますが、短くしすぎるとルータや帯域にも影響は出ますし、ネットワークの切り替わりがバタつく可能性もありますので、デフォルト値を変更する場合は注意が必要となります。

 

Activeルータの切り戻り

ここまででActiveルータが故障した際の切り替わりについて、概要を理解してもらえたと思います。機器やケーブルが故障して復旧した時に自動で切り戻らないようになっています。機器が完全に故障してしまえばいいのですが、意外とそうはなりません。そのためリブートを繰り返したり、特定のパケットのみが通信できなくなってしまったりすることもあります。

 

このような不安定な状態で切り戻ることがないように、デフォルトでは一度、StandbyルータがActiveになると、Activeルータが復旧しても切り戻らないように設定されています。それを自動的に切り戻す設定が『Preempt(プリエンプト)』という機能です。Activeルータで『preempt』設定を追加するだけで、自分が復旧時に他の機器よりもプライオリティ値が高ければ、Activeを奪うことが出来るようになります。

 

ただし、『preempt』機能を使用するのであれば、切り戻すまでの時間をチューニングすることをオススメします。『preempt delay』を設定することで、バタついたりした時に即座に切り戻ることを防止することが可能となりますので、覚えておいくださいね!

 

アップリンクの故障検知機能

ここまで来ると、あることに気付きませんか?それは、HSRPを使用しているLAN側障害には対応出来るのですが、それよりもWAN側の障害には対処出来ないのです。

 

以下の図で確認してみてください。Activeルータの故障やスイッチ故障などであれば、Helloパケットが届かなくなるので、ActiveStandbyを切り替えることが出来るのですが、このままではルータのWAN側の障害が発生しても、HSRPのステータスに影響を与えられませんね。それを可能にするのが、『track』っていう機能です。

 

インターフェイストラッキング

以下のような構成の場合、アップリンクが障害が発生した場合にHSRPを切り替える際に使用します。

 

 

ルータ#11とルータ#1間のケーブルで障害が発生した場合、Helloパケットは黄色の矢印の方向で交換できているため、通常のHSRPでは、ActiveStandbyに影響を与えることがありません。そこでGi0/0のインターフェイスを監視し、ダウンした場合はHSRPのプライオリティ値を下げることでActiveStandbyを切り替えることが可能となります。

 

 

オブジェクトトラッキング

オブジェクトトラッキングとは、インターフェイストラッキングよりも優れた機能となります。インターフェイストラッキングではインターフェイスのみの監視となりますが、オブジェクトトラッキングでは、ルーティングテーブルやIPリーチャビリティなどを監視することが出来ます。

 

 

このような障害が発生した場合、ルータ#1はオブジェクトトラッキングを使用することで監視することが出来ます。例えば、ルータ#13のGi0/0インターフェイスアドレス(10.1.1.1)にping監視を行い、通信断が発生した際に、HSRPのプライオリティ値を下げることでActiveStandbyを切り替えることが出来ます。

 

 

まとめ

ベル

今回の授業はいかがだったでしょうか?前回の授業に続いてHSRPについて書いてみましたが、より実際に近い形で解説してみました。次はいよいよ設定編です。コマンドを覚えていきましょうね!

HSRP(Hot Standby Router Protocol) ~設定編①~

 

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