HSRP(Hot Standby Router Protocol) ~基礎編①~

ベル

今回の授業は、『ゲートウェイ冗長化プロトコルであるHSRPを学ぼう!』です。ネットワークを始めたばかりの方は、知らないことがばかりかもしれませんが、安心してください。ゆっくりと分かりやすく解説していこうと思いますので、ついてきてもらえればと思います。

 

用語解説

それでは、用語のお勉強から始めましょう!

 

ゲートウェイとは

ゲートウェイとは、よくパソコンのアドレス設定で『デフォルトゲートウェイ』という言葉を聞いたことありませんか?まさにその事に近いのですが、パソコンが自分のセグメント以外と通信したい場合に、パケットを送付する先になります。ラストリゾートなんていい方もしますが、つまり、『どこ宛かわからないパケットは、とりあえずここに投げとけ!』という宛先をデフォルトゲートウェイと呼びます。

 

それに近いと言ったのは、ゲートウェイは、必ずしもデフォルトゲートウェイではなく、スタティックルートの宛先なんかにも使えるので、もう少し広義の転送先アドレス(ネクストホップアドレス)と思ってもらえればといいと思います。

 

冗長化とは

それでは次に冗長化について解説しますが、冗長とは、何か(ケーブルやネットワーク機器)が故障した際に、通信を速やかに復旧させる機能のことを言います。家でパソコンを使用している場合などでは、冗長化されていることは少ないと思いますが、企業のネットワークでは当たり前のようになっていますね。

 

これらを組み合わせた『ゲートウェイの冗長化』とは、パソコンのデフォルトゲートウェイ(途中経路も含む)が故障しても、通信が復旧出来る機能のことを指します。そもそもパソコンのデフォルトゲートウェイは1つしか持てないのに、どのようにして復旧させるのでしょうか?それを、解説していこうと思います。

 

 

ゲートウェイの冗長化

今回、勉強で使用する構成は以下とします。

 

このような構成の場合、ルータ#1とルータ#2のどちらかがデフォルトゲートウェイのアドレスを保持します。しかし、保持したルータが故障してしまったら、通信が出来なくなってしまいますよね?そうならないように、故障が発生したら別のルータにデフォルトゲートウェイのアドレスを移管してもらうことで、通信は復旧させます。これがゲートウェイの冗長化となります。それでは具体的にどうしているのか?について見ていきましょう。

 

 

HSRP(Hot Standby Router Protocol)

HSRPはCisco社が開発したゲートウェイ冗長化プロトコルです。複数台のルータ(L3SW)でグループを作り、仮想IPアドレスと仮想MACアドレスをデフォルトゲートウェイとすることで、ゲートウェイを冗長化します。

 

そう言われてもさっぱりですよね?構成を使って説明していきますね。まず、パソコンからデフォルトゲートウェイに向けたパケットを飛ばそうとすると、まずパソコンのARPテーブルを見ます。

 

デフォルトゲートウェイとなるアドレスを持っている機器のMACアドレスが載っていれば、そのMACアドレス宛に飛ばすのですが、わからなければ、そのMACアドレスを探すためにARPリクエストを飛ばします。そのIPアドレスを持っている機器がMACアドレスをARPリプライとして返信します。

 

そのデフォルトゲートウェイであるIPアドレスとMACアドレスをどちらも仮想アドレスとして使用するのがHSRPなのです。この仮想IPアドレスと仮想MACアドレスを2台のルータのうち、Activeルータに保持させてActiveルータが故障したら、StandbyルータをActiveルータに昇格させます。このようにすることで、パソコンは1つのデフォルトゲートウェイを設定するだけで、複数台のルータをデフォルトゲートウェイにすることが可能となるのです。

 

Activeルータの選定

それでは、どのようにしてActiveStandbyを決めていくのでしょうか?

 

それにはHelloパケットという挨拶で始まります。

 

そのHelloパケットの交換の中で、いくつかの情報交換を行いActive/Standbyを決めていきます。その選定にPriorityと言う物を使います。この値を大きく設定されている方が、Activeになります。デフォルト値は100となっているため、デフォルトのまま使用すると、同じ値になってしまいますよね?その場合は、IPアドレスの大きい方がActiveになります。

 

下図の場合は、まずルータ#1と#2でお互いのPriority値を教え合います。ルータ#1はPriority値110ルータ#2は100を設定してあります。

 

これにより、ルータ#1がActiveルータに選定され、ルータ#2はStandbyとなります。これは、2台以上でも構成を組むことが出来て、一番大きいPriority値を持っているルータがActiveとなり、それ以外は、全てStandbyになります。

 

使用されるアドレス

この時に使用されるアドレスは、以下のようになります。

 

 

この実MACアドレス実IPアドレスと言うのは、ルータ自身が保有するアドレスとなります。そのため、ステータスなどには関係なく、保有し続けます。

 

そして、あまり聞きなれない仮想MACアドレス仮想IPアドレスと言うのがありますね。この仮想MACアドレスと言うが、パソコンからARPリクエストが来た際に応答するMACアドレスとなるのです。この仮想MACアドレスは、Activeになったルータのみが保持します。

 

また、仮想IPアドレスと言うがパソコンのデフォルトゲートウェイとなるアドレスになります。こちらもActiveルータのみが保持することで、デフォルトゲートウェイを共有することが出来ます。

 

Helloパケットによる生存確認

このようなHSRP構成を組んだルータ間では、定期的にHelloパケットと言う物を交換し合います。これにより、構成を組む上で必要な情報をやり取りするのです。このHelloパケットを使って生存確認も行います。お互いに『元気?』って聞いて、『元気だよ!』って確認が取れていることで、現状の構成を維持することになります。

 

 

Activeルータの切り替え

先程の構成で、Activeルータであるルータ#1が故障したとしましょう。すると、ルータ#2はルータ#1からのHelloパケットが受け取れなくなります。『あれ?』って思いしばらく応答を待ちますが…。

 

それでも応答がないと、ルータ#2がActiveルータに切り替わります。この時にルータ#1で持っていた仮想IPアドレスと仮想MACアドレスの両方を継承することになります。

 

 

まとめ

ベル

今回の授業はいかがだったでしょうか?今回の授業はActiveルータの選定と切り替わりまでとなりますが、次回で切り替わり時間や切り戻しの仕組みなどについて記載していきますので、楽しみにしていてくださいね。

また、HSRP以外の方式も紹介していきますので、一緒にお勉強していきましょう!

 

次のHSRPの記事はこちらです。

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