ExPingを使いこなす方法を学ぼう!
今回の授業は、『ExPingを使いこなす方法』を教えます。構築時の試験などで疎通試験などを実施しますが、試験証跡を残したりするにも便利なツールですので、『使う』のではなく『使いこなせる』ようになりましょう!
また、ネットワークの作業を自動化していくための授業も開催していますので、良かったら受講しにきてください。何かのヒントになれればと思います。
Pythonでログ解析(1) ~パソコンにPythonを入れるまで~
そもそもPingってご存知ですか?通信の到達性を試験するために使用するコマンドです。現実世界で言うところの往復ハガキのような物です。手紙を出して返ってきたら、その住所への到達性が確認出来ますよね。使い方は違いますが、同じようなイメージで考えてもらえればいいと思います。
Contents
ExPingとは
ExPingはGUIでpingを実行出来るソフトウェアです。コマンドラインに抵抗がある人でも、簡単に疎通試験が出来るので、かなり使いやすいソフトです。複数のIPアドレスを同時に実行し、統計を表示したり、Tracerouteを実行したり出来るフリーのソフトウェアです。以下のサイトからダウンロード出来ます。
ExPingの基礎
応用から入って、なんとなく使えてる風にならないように基礎から学びましょうね!
疎通確認
まずは、なんと言っても疎通確認ですね。まずは、ExPingを立ち上げます。
そしたら、『対象』のタブをクリックしてください。下記の場所に疎通確認対象を入力してください。今回は以下のアドレスを試してみましょう!
次に、『環境』タブをクリックしてください。以下のような画面になると思います。
試験したい内容に合わせて値を変更してください。項目の説明は以下になります。
それでは、疎通確認を実行してみましょう!緑枠で囲った部分をクリックしてみてください。画面が『Ping 結果』に切り替わっていると思います。以下のように『○ OK』なっていれば、疎通出来ていることになります。
『× NG』になっていたら疎通不可となります。視覚的にも非常にわかりやすいですね!
次に統計結果について確認してみましょう。『Ping 統計』タブをクリックしてみてください。今回、実行した『10.10.10.1』への疎通結果の統計が表示されていると思います。ここで「実行回数」、「失敗回数」、「失敗率」、「最短時間」、「最大時間」、「平均時間」などが確認できます。ただ、疎通ができたか?出来なかったか?だけではなく、環境の変化に応じて通信時間などを意識するようにしましょう。たとえば、同じLAN内であるにも関わらず、数百msecのレスポンスであれば、遅延がかかりすぎている思わなければいけないですし、初めて使うLANケーブルであれば、10,000発くらいPingを実行してみて抜けがないかを確認するなど、いろんな使い方が出来るので試してみてください。
TraceRouteの実行
TraceRouteについて、まだあまり詳しく授業していないので、ここでは触りだけ解説しておきます。TraceRouteとは、疎通試験時によく利用されるコマンドで、端末から端末までの通信経路を調べる時に使用します。Pingにより通信が可能かどうかを調べるだけではダメなんです。きちんとした通信経路を通っているかを試験する必要があります。
今回のExPingでも同様にTraceRouteコマンドが実行できるようになっています。『TraceRoute』タブをクリックしてみてください。何も実行していない状態であれば、真っ白な表示になっていると思います。それでは、緑枠で囲った部分をクリックしてみてください。TraceRouteが実行され結果が表示されると思います。
ログ保存
試験で重要となってくるのが、試験証跡です。「試験やりましたー!問題なかったですー!」では、終われません。ちゃんとした証跡を残すクセをつけましょうね!
Ping結果の保存
左上にある『ファイル』をクリックすると『Ping結果の保存』がありますので、選択してください。すると、下記のよう画面が表示されるので、保存先とファイル名を入力して『保存』をクリックすることで、結果を保存出来ます。ファイル形式は、csvでもtxtでもどちらでもいいと思いますが、後で結果を加工したりしたいのであれば、csvの方がいいと思います。
Ping統計の保存
Ping統計も同様ですね。左上にある『ファイル』をクリックして『Ping統計の保存』がありますので、選択してください。すると、下記のよう画面が表示されるので、保存先とファイル名を入力して『保存』をクリックすることで統計結果を保存することが出来ます。
TraceRoute結果の保存
TraceRoute結果も同様です。左上にある『ファイル』をクリックして『TraceRoute結果の保存』がありますので、選択してください。すると、下記のよう画面が表示されるので、保存先とファイル名を入力して『保存』をクリックすることでTraceRouteの結果を保存することが出来ます。
便利なバッチファイルの紹介
ここまで読んで頂いた方に、便利なバッチファイルを紹介させていただきます。先程から授業で取り上げているExPingですが、『Ping実行したりログを保存したりするの手間だな~』って思った方いませんか?そんな方にオススメです!
以下の内容をテキストにコピペして、任意の名前のバッチファイルにして保存してください。(例:test.bat)
@echo off
echo %date%
echo %time%set yyyy=%date:~0,4%
set mm=%date:~5,2%
set dd=%date:~8,2%set time2=%time: =0%
set hh=%time2:~0,2%
set mn=%time2:~3,2%
set ss=%time2:~6,2%set filename=%yyyy%%mm%%dd%_%hh%%mn%%ss%
start .\exping\ExPing.exe -R -C -O %filename%-ping結果.csv
バッチファイルを保存したフォルダの直下に『exping』というフォルダを作成し、そこに『ExPing.exe』を保存してください。そしてExPingを立ち上げて試験データを事前に投入したら、一度ExPing閉じて準備OKです。以下のようなファイル構造になります。
それでは、先程作成した、バッチファイル(例:test.bat)を実行してみてください。Expingが実行されると思いますので、疎通試験が終わったら、ExPingを閉じてみてください。バッチファイルと同じフォルダに日付と時間の入ったCSVファイルが保存されていると思います。これに疎通結果が記録されていると思います。
このようにバッチファイルを実行するだけで、疎通試験を自動的に開始してくれて、ログまで保存してくれるようになるので、何度も同じような疎通試験をする際にはすごく便利なんです。良ければ使ってみてください。
もう少し便利にしたツールを以下の授業で紹介しています。よかったらこちらも読んでみてください。より便利に使えるように工夫してありますよ~♪
VB(Visual Basic)でExpingを操作(1) ~フォーム作成編~
まとめ
今回の授業は、いかがだったでしょうか?ExPingはかなり古くからあるソフトウェアで、ネットワークエンジニアにとって必需品です。きちんと使いこなせるようになっておきましょうね!Winmergeでログ比較するための方法、コツも紹介しています。よかったらこちらも読んでみてください!
【ホームルーム(商品紹介)】
【Winmergeの使い方】
このbatを実行したところ、おそらく「Ping結果の保存」で結果が出力されていると思います。
「Ping結果の保存」ではなく「Ping統計の保存」で結果を出力したいのですが、その場合batファイルの中身はどのように変更すればよろしいでしょうか?
新米エンジニアさん
ご返信が遅くなってしまって申し訳ありません。
コメントありがとうございます。
Ping統計を残すのを私も考えてみたのですが、Exping の仕様上難しそうです。
そこで、Pingの結果から統計を出力するツールとかを考えてみたいと思います。
出来たら、このサイトで紹介させていただきますので、しばらくお待ち下さい。