自宅ラボのススメ ~自宅に検証環境を作ってみよう!~
今回の授業で『自宅ラボのススメ』をさせていただきます。ネットワークエンジニアとして仕事をしていく上で、なぜ自宅ラボがあるといいのかについてメリット・デメリットを紹介させていただきます。この授業を受けて小さくても自宅ラボを構築してみたくなってもらえたら嬉しいです。
Contents
メリット
まずは、自宅ラボを作るメリットを紹介させていただきます。
現場力があがる
ネットワークの構築に関しては知識も必要ですが、やはり経験です。最近では、クラウドが流行りAWSなどでもネットワークを構築して検証をしたりすることも容易に出来ますが、手を動かして構築するスキルというのもまだまだ必要です。
スイッチングやルーティングのスキルがあっても、現場作業ではコンソール接続のやり方がわからない方や、ラックマウントにモタモタしてしまう方もよく見かけます。そんなことをお客さん先でしてしまったら、不安を与えてしまいます。それを現場で慣れるのではなく、自宅ラボで慣れておくことで信頼を勝ち取ることが出来るのです。
やりたい事がすぐに出来る
仕事でしかネットワーク機器に触れない方は、どうしても経験の偏りが発生してしまいます。そのため、新しいことにチャレンジしようとすると、仕事が勉強の場となります。しかし、プロジェクトという物は分業でやるため、十分な勉強が出来ないままプロジェクトは終わってしまう。後で話を聞いてみても、『詳しいことはちょっと…。』なんてことも、よく聞きます。
自宅ラボがあれば、先に勉強することが出来るので、新しいことをするプロジェクトでも、少し優位に進めることも出来たりします。そして、あなたへの信頼は上がるのです。
仕事の速度があがる
エンジニアとして仕事が遅い人の特徴として、技術力不足が見受けられます。単純に知識がないため、新しい機能を導入すると調べることに時間がかかっていて、なかなか設定を書けずにいる人がいます。それでは、残業は減らないため、自分で勉強する時間はなくなります。そのため、また新しい機能を導入すると勉強していないため、時間がかかってしまうという負のスパイラルに入ってしまうのです。このようにならないようにするため、最初は忙しくても、自宅ラボを作って知らない機能は検証しておくことが大切になります。
また、自宅ラボで検証が出来ることで、エンジニアとしてコマンドを叩く速度があがります。このような文章を書くタイピングとコマンドを叩くタイピングは異なります。僕は、CCIEのラボ試験構成を自宅で組んで、何百回も同じコマンドを書きました。おかげで文書よりもコマンドの方が早くタイピング出来るようになりました。たまに、普通の文字を書いてて『TABキー』押したくなるくらいに(笑)
デメリット
新しいことを始めるには、当然、デメリットもあります。このデメリットを出来るだけ最小限に出来るように工夫しましょう。
お金がかかる
初期投資としてネットワーク機器やラックを購入する費用はもちろんですが、起動していると電気代がかかります。場合によっては、アンペア数を上げる必要もあったりまします。僕もピーク時はネットワーク機器を20台程、起動した状態でレンジなどを使って何度となくブレーカーを落としました。
そのため、検証に必要な機器だけ電源をあげて、終わったらちゃんと落とすようにしましょう。一時期、うちの電気代が2万円ちかくになったことも…。
場所を取る
ラックやネットワーク機器を置く場所が必要です。また、LANケーブルなども適当に配線したりすると、機器からダラっと垂れ下がってしまって汚く見えます。
仕事ではきちんと配線するのに、家では適当になってしまいがちですが、家のLAN配線こそキレイにした方がいいです。適当に配線してしまったがために、うまく検証出来なくて1日無駄にしてしまうことだってあるので。
また可能であればラックの購入をオススメします。いくらキレイにLAN配線しても、どうしてもケーブル余長が出てしまいます。そこでオススメしたいのが1/4ラックです。なかなかオークションでも出回っていないのですが、蓋をしてしまえばケーブルも見えなくなるので、見た目もよくなるしホコリなども溜まりにくいです。ただし熱がこもるので電源入れるときは、扉を開けましょうね!
部屋が暑くなる
多くの機器を用意するのであれば熱を持つので風通しの良いところなどを選ばなければいけません。家の一等地ともなり得る場所を確保するのは…って思う方はサーキュレーターなどで風を循環させたりすることで解消出来ると思います。
ただし、半分笑い話ではありますが、冬場は暖房効果があり意外と暖房なしでいけたりもします(笑)ぜひ、試してみてください!
用意するもの
それでは、自宅ラボを作る上で用意するもの紹介させていただきます。
絶対必要な物
ここに記載した物は、自宅ラボで必ず必要になりますので、用意しましょう!
ネットワーク機器
当たり前過ぎて怒られてしまいそうですが、少し書かせていただきますね。ネットワーク機器と言っても何を用意すればいいのか?と言うと、以下の物を用意することをオススメします。
これだけの機器があれば、基本的な機能は検証出来ます。何を買ってもいいわけではないので、一旦、Cisco機器を購入しましょう!出来れば『Cisco1812J』がいいです。この機器だけでCiscoルータの基本設定では出来ますし、スイッチの機能もある程度は設定できます。(LAGやRSTPは出来ませんが、それ以外は結構使えます。)最近はCisco1812Jが販売されていないこともあるので、その場合は『Cisco892J』もおすすめです。Cisco1812Jの後継機種として販売されたので、同様の機能があるのに、格安だったりするので検討してみてください。どちらも中古品で1台1万円以下で買えると思います。
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LANケーブル
以前の記事でも紹介させていただきましたが、用途に合わせたLANケーブルを用意しましょう!基本機能を確認したいだけであれば、『CAT5e』で十分だと思います。ケーブルの種類が分からない、忘れてしまったと言う方は、以前の授業を振り返ってくださいね!
電源タップ
意外と忘れがちですが、電源タップは必需品です。パソコンは、いつも使っていれば電源口はあると思いますが、ネットワーク機器の電源口がないことが往々にしてあります。また、ネットワーク機器の電源ケーブルの口はアース線を含む3本口が必要となります。そのような電源タップをちゃんと用意しましょうね!
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用意出来ないようであれば、3本口を2本口に変換してくれるコネクタがあるので、こちらを用意しましょう!
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出来れば用意した方が良い物
ここからは、出来れば用意して方が良い物です。検討してみてください。
1/4ラック
出来ればと書いてありますが、僕の中では結構オススメです。ラックがあれば結構キレイに収納することも出来るし、ホコリも入らないので良いと思います。
ネットワーク機器を、ただ重ねただけだと崩れやすかったりするので、出来ればマウントしておくと安全でいいと思います。
その際にはネットワーク機器をマウントする金具(通称:耳金具)や固定するビスなどが必要となります。ネットワーク機器購入する際に、金具については確認しておきましょう。また、ビスについては、ラックに付いている物なので、有無については、ラック購入時に確認するようにしましょうね!
コンソールサーバ
パソコンからネットワーク機器にコンソール接続する際に、Cisco2500シリーズのルータが、中継してくれるサーバになります。例えば20台のネットワーク機器にイチから設定を入れようとすると、パソコンとネットワーク機器間のコンソールケーブルを20回差し替えなければいけません。しかし、このコンソールサーバを用意すると、事前にケーブル配線しておけば、コンソールケーブルの差し替えが不要になります。
ただし、コンソールサーバとネット機器間は特殊なケーブル(ロールオーバーケーブル/オクトパスケーブル)を用意する必要があるため、注意してくださいね。※現在では、販売していないのでオークションなどで販売している場合がありますので、探してみてください。
その前にコンソールケーブルは絶対に必要となりますので、ネットワークエンジニアであれば購入しておくことをおすすめします。
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まとめ
ここまで読んでもらって、自宅ラボを作ろうっと少しでも思っていただけたら本当に嬉しく思います。僕の周りに自宅ラボを勧めても、ほとんどの人はやりません。だからこそ、自宅ラボを作って差別化が測れれば、あなたの大きな力になってくれるはずです!
商品紹介
ネットワークエンジニアとして仕事していく上で、必要となる商品を紹介させていただいています。よかったら、こちらも読んでみてください。きっと何か面白いものが見つかると思いますよ!
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