構築・試験フェーズで考えること!

ベル

今回の授業は、前回の『ネットワークエンジニアのそそお仕事を知ろう!』の授業で書かせてもらった中で、『構築・試験フェーズ』を少しブレイクダウンして教えていきます。

 

 

構築とは

構築フェーズでは、前工程の設計で作られた設計書に沿って、具体的にネットワーク機器にコンフィグを入れていく作業です。そして、構成図通りに機器同士をLANケーブルで接続していきます。

 

構築の規模にもよりますが、僕が関わった案件で最大の構築案件では、ネットワーク機器が1拠点で3,000台以上で、LANケーブルが10万本以上でした。もっと大きな規模の案件もありますので、一口に構築と言っても、1日で終わる案件もあれば構築だけで数ヶ月かかることもあります。構築プロセスは環境や組織のルールなどにもよって異なりますが、ざっくりとしたプロセスは以下のようになります。

 

 

ラック立架

まずネットワーク機器を搭載するためのラックを立てます。企業によって異なるのですが、マシン室というサーバがたくさん置かれる場所に、ラックを立てることが最初に行われる作業となります。ラックにも普通のラックから免震ラックや耐震ラックなど様々な種類がありますので、システムの需要度に応じてラックを選定するようにしましょう。

 

 

電源工事

ラックを立てたら、ラックまで電源を引っ張る必要があります。マシン室には大型の電源ブレーカーが設備されていますので、そこから立架したラックまで電源を引き込むのですが、その際に搭載するネットワーク機器の電源使用量を算出しておく必要があります。電源容量オーバーで障害なんてことがないようにしてくださいね!

 

可能であれば、電源を系統と引き込むことをオススメします。というのは、1つの電源故障で全機器がダウンするのは大抵の企業で許容されないからです。そのため、搭載する機器も2系統に分散収容することが必要となります。

 

回線開通

大抵のシステムは1つの施設だけで使用するわけではなく、他拠点と接続する必要があります。そのため、システムの重要度や必要帯域に応じて回線を選定し接続する必要があります。重要度も高くなく回線帯域もそれ程必要でなければ、フレッツ回線などのベストエフォート回線でも問題ないですが、安定稼働が必要であり帯域も確保したいのであれば、専用線などの回線帯域も占有できるサービスを選定することも出来ます。当然費用も上がりますので、システムの重要度を鑑みて選定するようにしましょう。

 

機器搭載

機器搭載では、ネットワーク機器をラックに搭載する作業となります。搭載する際に注意すべき点は以下になります。

 

 

このような注意点を守らずに搭載すると、ネットワーク機器の故障時や更改時に大きな問題になったりします。事前にきちんと検討してから搭載をするようにしましょう。

 

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ケーブル配線

機器搭載が終わったら、LANケーブルの配線が始まります。事前に以下のようなことを検討しておくと工事がスムーズに出来ると思います。

 

 

これ以外にもラック間のケーブル配線なども発生しますので、きちんとしたルールを作って作業中は迷わずに工事が進められるようにしておくことが大切です。

 

また、LANケーブル配線の中で最も重要となるのが、『縦管』です!縦管とは、フロア間をまたぐ配管のことで、例えば1階のネットワーク機器と2階のパソコンを接続しようとした場合、当然、縦管が必要となります。その縦管を引くのに数ヵ月かかったりすることもありますので、事前に調査をしておくことが大切となります。

 

試験とは

試験フェーズでは、構築されたネットワーク機器が設計通り設定されているか?構成図通りに構築されているか?を確認するフェーズとなります。確認する試験の種類は大きくけて2種類あり、以下のような体系で試験を行います。

 

 

単体試験でやるべきこと!

単体試験とは、『受入試験』『性能試験』があります。まず最初に行うのが受入試験で、導入する機器やケーブルが正常に起動するのかを試験することです。購入した物の電源が入らないとか、ポートが壊れててリンクアップしないなどというのも結構ある話です。また、ケーブルも購入したら必ず試験します。LANケーブル用のテスターがありますので、通信の品質を試験してから商用として使用するのが当たり前となります。LANケーブルの品質を測定するのに、今では1,500円以下のテスターもありますので、良ければ参考にしてみてください。

 

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次に性能試験ですが、そもそも性能とは、機器が仕事をしうる能力や品質のことをいいます。ネットワーク機器で言うと、ある状況下においてどれだけのスピードで転送することが出来るか?どれだけの負荷に耐えられるか?などを試験します。つまり1G bpsのポートであれば、1G bpsの速度で転送出来るのか?優先・帯域制御をするのであれば、その制御機能が正確に動作出来るのか?などを試験するのが性能試験になります。

 

1G bpsのポートなんだから、1G bps出るのは当たり前でしょ?と言われるかもしれませんが、そんなことはありません。先程にも書いた通り『ある状況下』がポイントとなります。例えば、拠点間の通信であれば、暗号化して盗聴されてもデータの中身がわからないようにすることや、優先・帯域制御などを行った場合、通信速度は大幅に落ちます。それは、ネットワーク機器の中でデータを暗号化や優先・帯域制御の処理をしているからです。このように、『ある状況下』でどれだけの性能が出るのかを確認するのが、このステップになるのです。

 

 

結合試験でやるべきこと!

次の結合試験では、まず、構成図通りに構築されているかの構成確認をします。この構成確認をせずに正常系確認をしてしまうと、ケーブルが1本指し間違えてただけで、全部やり直しとなるので簡単でもいいので、必ずやるようにしましょう。

 

この後に正常系確認となりますが、この正常系確認の中には、ステータス確認と疎通確認が含まれます。ステータスの確認とは、ルーティングが想定通りになっていることや、スパニングツリーの構成が想定通りに組まれていることなどを、『show』コマンドまどで確認することを言います。いくらしっかりと設計していても、想定外の事象は発生します。ここでプロジェクトメンバーで事象の共有をして、対策を検討することが大切となります。間違っても勝手に変更したりしてはいけません。変更することで他のステータスに影響を与えることもありますので、変更は細心の注意を払って行ってください。

 

次に疎通確認ですが、基本的にはPingコマンドとTracerouteコマンドを使用します。これにより通信の到達性と通信経路を確認することが出来ます。近いうちにPingコマンドとTracerouteコマンドについて紹介させていただきますので、その際にお勉強してもらえればと思いますが、基本的にはPingコマンドは通信元から通信先までの到達性を確認するためのコマンドとなります。そのため、OKかNGかの判定のみになります。

 

一方、Tracerouteコマンドは通信先までの通信経路を確認するために使用するコマンドとなり、具体的に通ったネットワーク機器のアドレスが表示されていきます。これだけ聞くとTracerouteコマンドの方が優れているようにも見えますが、そうでもないんです。Tracerouteの表示には時間がかかることと、PingではOKですが、Tracerouteだとうまく表示できないなんてこともあるんです。詳細はTracerouteの仕組みの授業の際にご説明させていただきます。

 

便利なツールとしては、ExPingというフリーソフトがあり、これを使うと自動的にPingを実行してくれます。良かったらダウンロードして使ってみてください。(ExPingを使いこなすための方法などは、また、別の機会で紹介させていただきますね。)

http://woodybells.com/exping.html

 

ここまで想定通りの結果を得ることが出来たら、いよいよ最後の異常系試験になります。異常系試験では、先程のPingコマンドとTracerouteコマンドを使って、機器障害やケーブル故障時に通信経路を切り替えて通信を復旧できているかを試験します。その際のポイントとなるのは切り替え後の経路と断時間となります。システム上、1分以内に迂回できなければいけないなどの要件があれば、その条件がクリアできていることを確認する必要があります。

 

そして忘れてはいけないのが、復旧時の試験です。よく異常系試験と聞くとPing実行中に障害を発生させて、迂回時間を測定したりしていますが、復旧時にも通信断は発生します。そのため、必ず復旧試験も実施するようにしてください。意外にも復旧時の方が断時間が長くなってしまうこともあるのです。

 

 

まとめ

ベル

今回の授業はいかがだったでしょうか?構築・試験とは具体的にどのようなことをしているのかについて、少し詳細に書いてみましたが、理解してもらえたでしょうか?エンジニアとして仕事していく中で、最も比重が高いのが、この構築・試験フェーズとなります。これからもノウハウをたくさん紹介していきますので、1つずつ消化してもらって自分の物にしていってくださいね。また、自宅ラボを構築することで、構築に慣れておくことをおススメしています。よかったらこちらの授業で勉強してみてください。

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