インターフェイス設定 ~Auto設定でSpeed固定する方法~
今回の授業は、インターフェイスのスピード設定を『Auto』にしながら、『スピードを固定』する方法を教えていきます。矛盾しているように感じるかもしれませんが、使用するケースを紹介しながら説明していきますので、ゆっくり学習していきましょう。そもそもインターフェイスのスピード指定がどのような意味があるのかわからない方は、『LANケーブルの使い分け』で確認してください。
『LANケーブルの使い分け』
Auto – Auto接続
例えば、最大100Mbpsしかでないスイッチと1Gbpsまで出せるスイッチ2台をデフォルトの設定のまま接続しようとすると、インターフェイスのSpeedは『Auto』となるため、ステータスを確認すると以下のようなになると思います。
【SW1】
SW1#show interfaces status
Port Name Status Vlan Duplex Speed Type
Fa0/1 connected 1 a-full a-100 10/100BaseTX
【SW2】
SW2#show interfaces status
Port Name Status Vlan Duplex Speed Type
Gi0/1 connected 1 a-full a-100 10/100/1000BaseT
この場合、SW2は1Gbpsまで出せるが、SW1が100Mbpsまでしか対応していませんので、100Mbpsでネゴシエイトされていることが確認できます。そこでSW1が新しい機器に交換した際に、『1000Base-TX』のインターフェイスしかなかったとしましょう。そうすると以下のようなステータスになってしまいます。
【SW1】
SW1#show interfaces status
Port Name Status Vlan Duplex Speed Type
Gi0/1 connected 1 a-full a-1000 10/100/1000BaseT
【SW2】
SW2#show interfaces status
Port Name Status Vlan Duplex Speed Type
Gi0/1 connected 1 a-full a-1000 10/100/1000BaseT
これで早くなったって喜ぶかもしれませんが、いろいろと問題になることがあります。例えば、EIGRPのメトリック値が変更されてしまったり、スパニングツリー(Spanning Tree Protocol)のCost値が変わってしまってブロッキングポートが変わってしまったりします。このようなことが起きないように、ステータスを維持させなければいけない場合もあります。
スパニングツリーの概要 ~基礎編②(STP)~
EIGRPの概要 ~基礎編④~
実際に設定してみて試してみるとわかりやすいと思います。以下がおすすめ機器となりますので、試してみてください。CISCO892Jの1ポート以外は100Mbpsまでしか出せないので、10Mbpsでネゴシエイトするように読み替えて検証してみてもらえればと思います。
CISCO 892J
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Catalyst 3560-8PC-S
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CISCO Catalyst 3560-8PC-S マルチレイヤ イーサネット PoE対応 スイッチ WS-C3560-8PC-S 新品価格 |
インターフェイススピードの固定設定
それでは、インターフェイスを100Mbpsの固定に変更してみましょう。
【SW1】
SW4(config)#interface gigabitEthernet 0/1
SW4(config-if)#speed 100
あれ?LEDが落ちましたよね?ステータスを確認してみると以下のようになっていると思います。
【SW1】
SW1#show interfaces status
Port Name Status Vlan Duplex Speed Type
Gi0/1 connected 1 a-full 100 10/100/1000BaseT!
SW1#show ip interface brief
Interface IP-Address OK? Method Status Protocol
GigabitEthernet0/1 unassigned YES unset down down
このようにインターフェイスがダウンしていることがわかりますね。これは、インターフェイスの設定を『固定』にしてしまったことで、『Auto-MDI』の機能が無効となってしまって、スイッチ同士の接続がクロスケーブルに変更しないといけなくなってしまったからです。また、ただクロスケーブルに切り替えるだけではなく、対向となるSW2の設定も『固定』にする必要があります。これが出来ない場合は、どうしたらいいでしょうか?
Auto – Auto設定で100M固定
それでは、Auto – Auto設定のままで100Mbpsだけでネゴシエイトする設定をしていきたいと思います。
【SW1】
SW1(config)#interface gigabitEthernet 0/1
SW1(config-if)#speed auto 100
このように設定することで『Auto』設定にしながら『100Mbps』だけでネゴシエイトしようとすることが出来ます。これ以外にも『speed auto 100 10』と設定するとまずは、『100Mbps』でネゴシエイトしようとしてダメなら『10Mbps』でネゴシエイトしようとします。この場合は、『1Gbps』で接続されることはありません。
それではステータスの確認をしてみましょう。
【SW1】
SW1#show interfaces status
Port Name Status Vlan Duplex Speed Type
Gi0/1 connected 1 a-full a-100 10/100/1000BaseT
【SW2】
SW2#show interfaces status
Port Name Status Vlan Duplex Speed Type
Gi0/1 connected 1 a-full a-100 10/100/1000BaseT
まとめ
今回の授業は、いかがでしたか?このように設定することで、現在のネットワークに影響を与えずにハード更改することが出来たりします。ただし、注意していただきたいのが、使用するハードやIOSによって使用できない場合もありますので、ちゃんと調べて試験してから実施するようにしましょうね!
NWエンジニアになるため勉強しております!
全ての記事を学習させて頂きました!その上でお願いがあります。
QOS,IPsec,IPv6についても授業があればうれしいです・・!
コメントありがとうございます。
全部読んでいただけたなんて、とても嬉しいです。
最近、忙しくて書けていなかったのですが、引き続き書いていくつもりでしたので、もう少しお待ちください。