UDLD(UniDirectional Link Detection)の設定 ~基礎編~
今回の授業は、「UDLD(UniDirectional Link Detection)の設定」について教えていこうと思います。以前の授業でUDLDは、単一リンク障害を検知する機能であると教えました。設定をしたからと言って何か特別な状態になるわけではないですが、何か故障が発生した時に助けてくれる保険のようなものです。保険は大事ですよ!!
UDLD(UniDirectional Link Detection)の概念 ~基礎編~
お勉強構成
それでは、お勉強構成から紹介させていただきます。2台のスイッチ間でUDLDを設定することで、単一リンク障害が検知できるようになるのです。実際に構成を組んで試してみましょう。
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事前設定
今回は、特に事前設定がなくてもUDLDの設定は可能ですので割愛しますが、本番環境で設定する場合はIPアドレスやHSRPの設定などが必要になりますので、環境に合わせて設定するようにしましょうね。
UDLDの設定
UDLDの設定をする際に知っておかないといけないのが、UDLDの動作モードです。UDLDの動作モードには以下があります。
ノーマルモードでは、単一リンク障害を検知しても何もしないのに対して、アグレッシブモードでは、ポートをerrdiable状態にして通信を遮断します。これによりループを防ぐことが可能となります。そのため、ノーマルモードよりもアグレッシブモードで設定することをおすすめします。それでは、実際に設定していきたいと思います。
【SW1】
SW1(config)#interface fastethernet 0/1
SW1(config-if)#udld port aggressive
【SW2】
SW2(config)#interface fastethernet 0/1
SW2(config-if)#udld port aggressive
これで使用したいインターフェイスにUDLDの設定ができたことになりますが、24ポートスイッチや48ポートスイッチの全ポートでUDLDを使用したい場合、全部のインターフェイスに設定しないといけなくなりますよね。それではめんどくさいですし、設定漏れなどが発生してしまいます。そんな場合はグローバルコンフィグレーションモードで設定すると全てのインターフェイスに適応されるようになります。以下のように設定してください。
【RT1】
SW1(config)#udld port aggressive
たったこれだけです。簡単ですね。ですが、この設定を忘れてしまうとトラブルが発生した時に、ループが発生して全断なんてことになってしまうのです。それでは設定について確認してみたいと思います。
設定の確認方法
実は、UDLDの確認コマンドは、『show udld』となります。これで隣接している機器とUDLDが確立できているかが確認できます。この『show udld』に確認したいインターフェイスを続けると、指定したインターフェイスだけを表示することが出来ます。今回は、使用しているインターフェイスだけに絞って確認してみたいと思います。
【SW1】
SW1#show udld fastEthernet 0/1
Interface Fa0/1
—
Port enable administrative configuration setting: Enabled / in aggressive mode
Port enable operational state: Enabled / in aggressive mode
Current bidirectional state: Bidirectional
Current operational state: Advertisement – Single neighbor detected
Message interval: 15
Time out interval: 5Entry 1
—
Expiration time: 37
Device ID: 1
Current neighbor state: Bidirectional
Device name: XXXXXXXXX
Port ID: Fa0/1
Neighbor echo 1 device: YYYYYYYYY
Neighbor echo 1 port: Fa0/1Message interval: 15
Time out interval: 5
CDP Device name: SW2
【SW2】
SW2#show udld fastethernet 0/1
Interface Fa0/1
—
Port enable administrative configuration setting: Enabled / in aggressive mode
Port enable operational state: Enabled / in aggressive mode
Current bidirectional state: Bidirectional
Current operational state: Advertisement – Single neighbor detected
Message interval: 15
Time out interval: 5Entry 1
—
Expiration time: 37
Device ID: 1
Current neighbor state: Bidirectional
Device name: YYYYYYYYY
Port ID: Fa0/1
Neighbor echo 1 device: XXXXXXXXX
Neighbor echo 1 port: Fa0/1Message interval: 15
Time out interval: 5
CDP Device name: SW1
※『XXXXXXXXX』はSW1のシリアル、『YYYYYYYYY』はSW2のシリアルが表示されてます。
ここで確認できるのが以下になります。
『Port enable operational state: Enabled / in aggressive mode』
→アグレッシブモードで動作していることを確認
『Current bidirectional state: Bidirectional』
→双方向でリンクアップしていることを確認
このようなステータスになっていれば、問題なくLNAケーブルが使用できていることがわかります。もし、片方向リンク障害が発生した場合、『Current bidirectional state: 』のステータスが『Bidirectional』ではなく『Unidirectional』になります。
また、このステータスの後半に、対向のホスト名や接続しているインターフェイス、シリアルなどが表示されているはずです。これは、CISCO独自のプロトコルであるCDPを使用しているからですね。無効にすると表示されなくなりますので、試しにグローバルコンフィグレーションモードで『no cdp run』を実行してみるといいと思います。
まとめ
今回の授業は、ここまでです。UDLDの設定について教えていきましたが、なかなか設定だけではしっくりことないこともあると思います。UDLDは実際に障害が起きないとわからない部分もありますが、設定しているかしていないかで障害の影響範囲に大きな違いが生まれます。しっかりと覚えて特別な理由がない限りは設定するようにしましょう。それでは、次の授業で実際の設定を学んでみましょう!
UDLD(UniDirectional Link Detection)の概念 ~基礎編~