BGPの設定 ~iBGP編③~
今回の授業は、前回の続きで「iBGPの設定」についてとなります。前回は、想定通りのルーティングテーブルにならなかったので、それを直していきたいと思います。前回の授業までを受講されていない方は、こちらから受けてくださいね。
Contents
お勉強構成
前回の授業でiBGPピアで受け取ったルートを、ルートリフレクタを使うことで別のiBGPピアにルート配布出来るようになりましたね。今回は、BGPコンフェデレーションを使っていた構成を考えてみたいと思います。
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BGPの設定
事前設定でインターフェイスにIPアドレスが設定できていることが前提になります。ここでは解説を割愛しますが、まだ設定できていない方は、お勉強構成を見ながら設定してみてください。どうしてもわからない方は、こちらの授業で解説していますので読んでみてください。
BGPの設定 ~iBGP編①~
それでは、BGPの設定に入っていこうと思います。今回、設定するのは「ネイバー設定」と「ルート配布」の他に「BGPコンフェデレーション設定」となります。
ネイバー設定
まずネイバー設定ですが、その前に注目してもらいたいのがAS番号です。ここで設定するAS番号は、メインのAS番号ではなくサブAS番号となります。ルータ1は「110」、ルータ2と3は「120」で設定していこうと思います。
また、ネイバーの『remote-as』で指定するAS番号は、相手が同じメインASで動作しているルータであればサブAS番号で指定します。同じメインASを使っていない場合は、メインASを指定してもらうようになります。それでは設定していきますね!
【RT1】
RT1(config)#router bgp 110
RT1(config-router)#neighbor 10.10.1.2 remote-as 120
【RT2】
RT2(config)#router bgp 120
RT2(config-router)#neighbor 10.10.1.1 remote-as 110
RT2(config-router)#neighbor 10.10.2.3 remote-as 120
RT3(config)#router bgp 120
RT3(config-router)#network 10.1.1.3 mask 255.255.255.255
RT3(config-router)#neighbor 10.10.2.2 remote-as 120
BGPでルート配布
それでは、ルート配布をしていこうと思います。ここでの設定は、前回の授業と同じになるので、サラッといきますね!
【RT1】
RT1(config)#router bgp 110
RT1(config-router)#network 10.1.1.1 mask 255.255.255.255
【RT2】
RT2(config)#router bgp 120
RT2(config-router)#network 10.1.1.2 mask 255.255.255.255
【RT3】
RT3(config)#router bgp 120
RT3(config-router)#network 10.1.1.3 mask 255.255.255.255
BGPコンフェデレーション設定
それでは、いよいよメインとなる『BGPコンフェデレーション』の設定をしていこうと思います。まずは、「bgp confederation identifier xxx」コマンドでメインとなるAS番号を指定しましょう。今回で言うと、「100」がメインASとなるので各ルータで設定しておきましょう。次に「bgp confederation peers yyy」で対抗となるサブASを指定します。ルータ1のピアとなるASが「120」となり、ルータ2のピアとなるASが「110」となりますので、それぞれに設定していこうと思います。
(ルータ3では、「bgp confederation peers 110」の設定は不要ですが、今回はとりあえず設定しておこうと思います。)
【RT1】
RT1(config)#router bgp 110
RT1(config-router)#bgp confederation identifier 100
RT1(config-router)#bgp confederation peers 120
【RT2】
RT2(config)#router bgp 120
RT2(config-router)#bgp confederation identifier 100
RT2(config-router)#bgp confederation peers 110
【RT3】
RT3(config)#router bgp 120
RT3(config-router)#bgp confederation identifier 100
RT3(config-router)#bgp confederation peers 110
これでBGPコンフェデレーションの設定は完了になります。ステータス確認に入っていこうと思います。
ステータス確認
それでは、ステータス確認をしていこうと思います。今回、だいぶ割愛して確認していきます。
show ip bgp
それでは、「show ip bgp」で取得しているルート情報を見ていこうと思います。注目しておきたいのがルータ1ステータス確認でPathの列に「(120)」が表示されていると思います。()で書かれているということは、サブAS番号であるということです。ちゃんとルータ2からもらっているため、このような表示になります。
【RT1】
RT1#show ip bgp
Network Next Hop Metric LocPrf Weight Path
*> 10.1.1.1/32 0.0.0.0 0 32768 i
*> 10.1.1.2/32 10.10.1.2 0 100 0 (120) i
*> 10.1.1.3/32 10.10.2.3 0 100 0 (120) i
【RT2】
RT2#show ip bgp
Network Next Hop Metric LocPrf Weight Path
*> 10.1.1.1/32 10.10.1.1 0 100 0 (110) i
*> 10.1.1.2/32 0.0.0.0 0 32768 i
*>i10.1.1.3/32 10.10.2.3 0 100 0 i
【RT3】
RT3#show ip bgp
Network Next Hop Metric LocPrf Weight Path
*>i10.1.1.1/32 10.10.1.1 0 100 0 (110) i
*>i10.1.1.2/32 10.10.2.2 0 100 0 i
*> 10.1.1.3/32 0.0.0.0 0 32768 i
ここまではOKですか?そうであれば、ルーティングテーブルの確認に入っていこうと思います。
show ip route
それでは、「show ip route」コマンドでルーティングテーブルを確認していきます。
【RT1】
RT1#show ip route
10.0.0.0/8 is variably subnetted, 4 subnets, 2 masks
C 10.1.1.1/32 is directly connected, Loopback0
B 10.1.1.2/32 [200/0] via 10.10.1.2, 00:22:33
B 10.1.1.3/32 [200/0] via 10.10.2.3, 00:21:58
C 10.10.1.0/24 is directly connected, FastEthernet0
【RT2】
RT2#show ip route
10.0.0.0/8 is variably subnetted, 5 subnets, 2 masks
B 10.1.1.1/32 [200/0] via 10.10.1.1, 00:34:34
C 10.1.1.2/32 is directly connected, Loopback0
B 10.1.1.3/32 [200/0] via 10.10.2.3, 00:25:25
C 10.10.1.0/24 is directly connected, FastEthernet0
C 10.10.2.0/24 is directly connected, FastEthernet1
【RT3】
RT3#show ip route
10.0.0.0/8 is variably subnetted, 4 subnets, 2 masks
C 10.10.2.0/24 is directly connected, FastEthernet0/0
B 10.1.1.2/32 [200/0] via 10.10.2.2, 00:27:34
C 10.1.1.3/32 is directly connected, Loopback0
B 10.1.1.1/32 [200/0] via 10.10.1.1, 00:26:59
想定通りのステータスになっていましたか?もし、想定外のステータスになっているようでしたら、改めて物理層から順番に確認してみてください。
まとめ
今日の授業はここまでとします。新しくBGPコンフェデレーションを一言で言ってしまうと、「サブASを作り、疑似的にeBGPであるかのように見せる機能」です。そのため、本当のeBGPピアからのネイバー指定をする場合は、メインAS番号をremote-asで指定するようになるのです。この辺の詳細については、別途解説します。それでは、次にiBGPとeBGPの組み合わせで
BGPの設定 ~eBGP&iBGPの組合せ編~
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