BGPの設定 ~iBGP編②~
今回の授業は、前回の続きで「iBGPの設定」についてとなります。前回は、想定通りのルーティングテーブルにならなかったので、それを直していきたいと思います。前回の授業までを受講されていない方は、こちらから受けてくださいね。
前回の復習
それでは、簡単に前回の復習をしておきたいと思います。まずは、以下のお勉強構成で、設定をしていきましたね!
この構成で、インターフェイスのIPアドレスとBGPのネイバー設定、ルート配布までを設定しました。しかし、ルータ1のLoopback0のセグメントはルータ3には届かず、ルータ3のLoopback0のアドレスはルータ1に届かなかったのです。これをなんとかしていきたいと思います。
以前の授業で教えたところで言うと、対策は3つです。
このうちフルメッシュ構成は、単純にルータ1とルータ3を接続してネイバーを確立するだけとなるので解説はしません。また、BGPコンフェデレーションについては、次回の授業で解説しますので、今回はルートリフレクタでルート配布出来るようにしてみたいと思います。
ルートリフレクタ
それでは、前回の授業で投入した設定にルートリフレクタ設定を追加していきたいと思います。『neighbor x.x.x.x route-reflector-client 』コマンドで、対抗側のルータをルートリフレクタのクライアントと指定することで実現出来ます。それでは、実際に設定していきましょう。
RT2(config)#router bgp 100
RT2(config-router)#neighbor 10.10.1.1 route-reflector-client
RT2(config-router)#neighbor 10.10.2.3 route-reflector-client
それでは、BGPのステータスを確認していきましょう。
ステータス確認
それでは、どのように変化したかを以下のコマンドでステータス確認していきましょう。
今回は、前回から変更されるステータスだけに注目して確認していこうと思います。気になる方は、他のコマンドも含めて見てみてください。
show ip bgp
それでは、「show ip bgp」コマンドでステータス確認してみます。前回まではルータ1にルータ3のLoopback0(10.1.1.3/32)が載っていなかったはずですが、どう変化されているでしょうか?
【RT1】
RT1#show ip bgp
BGP table version is 4, local router ID is 10.1.1.1
・
・Network Next Hop Metric LocPrf Weight Path
*> 10.1.1.1/32 0.0.0.0 0 32768 i
*> 10.1.1.2/32 10.10.1.2 0 100 0 i
*> 10.1.1.3/32 10.10.1.2 0 100 0 i
ちゃんと10.1.1.3/32が表示されるようになりましたね。ルータ3はどうなっているでしょうか?
【RT3】
RT3#show ip bgp
BGP table version is 4, local router ID is 10.1.1.3
・
・Network Next Hop Metric LocPrf Weight Path
*> 10.1.1.1/32 10.10.2.2 0 100 0 i
*> 10.1.1.2/32 10.10.2.2 0 100 0 i
*> 10.1.1.3/32 0.0.0.0 0 32768 i
ちゃんとルータ1のLoopback0(10.1.1.1/32)が表示されるようになりました。これらは、ルータ2がルートリフレクタとしてiBGPピアからもらったルートを反射して配布するようになったからです。それでは、一応、ルーティングテーブルも見ておきましょう。
show ip route
それでは、ルータ3台のルーティングテーブルを見ていきましょう。
【RT1】
RT1#show ip route
10.0.0.0/8 is variably subnetted, 4 subnets, 2 masks
C 10.1.1.1/32 is directly connected, Loopback0
B 10.1.1.2/32 [200/0] via 10.10.1.2, 01:09:48
B 10.1.1.3/32 [200/0] via 10.10.2.3, 01:13:25
C 10.10.1.0/24 is directly connected, FastEthernet0
【RT2】
RT2#show ip route
10.0.0.0/8 is variably subnetted, 5 subnets, 2 masks
B 10.1.1.1/32 [200/0] via 10.10.1.1, 01:14:03
C 10.1.1.2/32 is directly connected, Loopback0
B 10.1.1.3/32 [200/0] via 10.10.2.3, 01:11:28
C 10.10.1.0/24 is directly connected, FastEthernet0
C 10.10.2.0/24 is directly connected, FastEthernet1
【RT3】
RT3#show ip route
10.0.0.0/8 is variably subnetted, 3 subnets, 2 masks
C 10.10.2.0/24 is directly connected, FastEthernet0/0
B 10.1.1.1/32 [200/0] via 10.10.2.2, 01:14:29
B 10.1.1.2/32 [200/0] via 10.10.2.2, 01:14:29
C 10.1.1.3/32 is directly connected, Loopback0
これでBGPに配布したルートが全てのルータで受け取ることが出来ました。
まとめ
今回の授業はいかがでしたか?ルートリフレクタの設定をすると、iBGPピアから受け取ったルートを別のiBGPピアに配布することが出来るようになりました。次の授業で教えるBGPコンフェデレーションでは、まったく違う概念でiBGPピアに配布するようにします。もう少しiBGPピアの設定を頑張りましょう。
BGPの設定 ~iBGP編③~
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ルーティングの授業
いつも学習の助けになっており
ありがたく、読ませて頂いています。
RT1, RT3のLoopback0をRT2にルートリフレクタの
設定を行い、ルートを配布していると思うのですが
この時のBGPテーブルのネクストホップが
RT1だと
10.1.1.3/32 10.10.2.3
RT3だと
10.1.1.1/32 10.10.1.1となり
ルーティングテーブルに表示されませんでした。
他に何か設定を行なっているのでしょうか?
tama さん
ご来校ありがとうございます。
特別な設定は不要だと思います。私の方で紹介させて頂いているコマンドだけで出来るはずです。
ただ小規模用のルータですと、OSによってうまく動かないことがあるようです。(小規模用のルータでBGPのルートリフレクタは、あまり使わないからなのでしょうか?)
試しにpacket tracerで出来るか確認してみましたが、packet tracerでは、そもそもiBGPをサポートしていないとのことでした。。
もし可能であれば、別のOSか別のハードウェアで試してみてもらえればと思います。
返信ありがとうございます。
どうやらそうみたいですね。
機会があれば他のOSでも試してみたいと思います。
ありがとうございました。