BGPの設定 ~iBGP編①~
今回の授業は、「iBGPの設定」について学んでいきます。iBGPで覚えなければいけない設定が多くあるので、3つに分けて学んでもらいます。今回は、前編となります。また、今までの授業を受けていないと、わからないこともあると思います。こちらも受講するようにしてくださいね!
Contents
お勉強構成
それでは、まずは勉強構成から見ていきましょう。今回は、iBGPのみの構成としますので、ゆっくり理解していきましょうね!
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事前設定
それでは、BGPの設定をしていく前に事前の設定をしていきたいと思います。今回は、インターフェイスの設定だけとなりますので、お勉強構成を見ながら設定していきましょうね!
【RT1】
RT1(config)#interface Loopback0
RT1(config-if)#ip address 10.1.1.1 255.255.255.255
!
RT1(config-if)#interface FastEthernet0
RT1(config-if)#ip address 10.10.1.1 255.255.255.0
【RT2】
RT2(config)#interface Loopback0
RT2(config-if)#ip address 10.1.1.2 255.255.255.255
!
RT2(config-if)#interface FastEthernet0
RT2(config-if)#ip address 10.10.1.2 255.255.255.0
【RT3】
RT3(config)#interface Loopback0
RT3(config-if)#ip address 10.1.1.3 255.255.255.255
!
RT3(config)#interface FastEthernet0/0
RT3(config-if)#ip address 10.10.2.3 255.255.255.0
ここまでの設定は、前回のeBGPの授業と同じになります。サラッと出来ましたか?
BGPの設定
それでは、BGPの設定に入っていこうと思います。今回、設定するのは「ネイバー設定」と「ルート配布」となります。ルート配布も基本的な設定のみを教えていきますので、まずは、ルートが配布できたことを確認していきましょう。
BGPネイバーの設定
まずは、ネイバー関係を確立するための設定をしていきます。前回の復習となりますが、BGPでネイバーを確立する時に使用するコマンドは、「neighbor x.x.x.x remote-as num」でしたね?それでは、実際の投入するコマンドを見ていきましょう。
【RT1】
RT1(config)#router bgp 100
RT1(config-router)#neighbor 10.10.1.2 remote-as 100
【RT2】
RT2(config)#router bgp 100
RT2(config-router)#neighbor 10.10.1.1 remote-as 100
RT2(config-router)#neighbor 10.10.2.3 remote-as 100
【RT3】
RT3(config)#router bgp 100
RT3(config-router)#neighbor 10.10.2.3 remote-as 100
これでルータ1、ルータ2、ルータ3でネイバー関係が確立できたはずです。本来であれば、ここでネイバー関係の確認をしたいところですが、今回も続けてルートの配布までやってしまいます。
BGPでルート配布
次にネイバーに配布するルートを設定してみましょう。今回は、それぞれのルータのLoopback0インターフェイスのIPアドレスを配布してみたいと思います。ここで使用するのは「network x.x.x.x mask y.y.y.y」でしたね?eBGPの授業で学んだ設定でルート配布してみましょう。
【RT1】
RT1(config)#router bgp 100
RT1(config-router)#network 10.1.1.1 mask 255.255.255.255
【RT2】
RT2(config)#router bgp 100
RT2(config-router)#network 10.1.1.2 mask 255.255.255.255
【RT3】
RT3(config)#router bgp 100
RT3(config-router)#network 10.1.1.3 mask 255.255.255.255
これで各ルータのLoopback0インターフェイスのルートを配布出来るようになったはずです。
ステータスの確認
それでは、ステータス確認をしていこうと思います。今回、使用するコマンドは以下になります。(eBGPで学んだこともありますので、一部、コマンドは割愛してあります。)
show ip bgp summary
まずは、「show ip bgp summary」でネイバーを確認してみたいと思います。こちらも前回の授業で扱ったコマンドですので、さらっと見ていきますね。構成図通りにネイバー関係が確立していれば、以下のような出力結果になっているはずです。
【RT1】
RT1#show ip bgp summary
BGP router identifier 10.1.1.1, local AS number 100
・
・Neighbor V AS MsgRcvd MsgSent TblVer InQ OutQ Up/Down State/PfxRcd
10.10.1.2 4 100 8 8 7 0 0 00:03:11 2
【RT2】
RT2#show ip bgp summary
BGP router identifier 10.1.1.2, local AS number 100
・
・Neighbor V AS MsgRcvd MsgSent TblVer InQ OutQ Up/Down State/PfxRcd
10.10.1.1 4 100 19 19 4 0 0 00:02:12 1
10.10.2.3 4 100 8 8 4 0 0 00:01:07 1
【RT3】
RT3#show ip bgp summary
BGP router identifier 10.1.1.2, local AS number 100
・
・Neighbor V AS MsgRcvd MsgSent TblVer InQ OutQ Up/Down State/PfxRcd
10.10.2.2 4 100 5 5 4 0 0 00:00:13 1
上記のようなステータスになっていないようでしたら、物理層から確認してみましょう。意外と物理接続が間違っていたりしますよ。今回は、授業が長くなってしまうこともあり物理層の確認は割愛しています。必要に応じて、「show cdp neighbor」、「show ip interface」、「show interface status」などで確認するようにしてください。
show ip bgp
次に「show ip bgp」コマンドを実行してみましょう。ここで確認できるのがBGPを通して配布されているルート情報になります。今回、各ルータのLoopback0インターフェイスのセグメントを配布するようにしましたね。これが各ルータで受け取れているかを確認しておきましょう。
【RT1】
RT1#show ip bgp
BGP table version is 4, local router ID is 10.1.1.1
・
・Network Next Hop Metric LocPrf Weight Path
*> 10.1.1.1/32 0.0.0.0 0 32768 i
*> 10.1.1.2/32 10.10.1.2 0 100 0 i
ここで確認してみると、配布したはずの「10.1.1.3/32」のルートが受け取れていないことが分かりますね。eBGPの時は受け取れていたはずなのに、iBGPでは受け取れなくなっています。他のルータではどうでしょうか?ルータ2、ルータ3のステータスも確認してみましょう。
【RT2】
RT2#show ip bgp
BGP table version is 4, local router ID is 10.1.1.2
・
・Network Next Hop Metric LocPrf Weight Path
*> 10.1.1.1/32 10.10.1.1 0 100 0 i
*> 10.1.1.2/32 0.0.0.0 0 32768 i
*> 10.1.1.3/32 10.10.2.3 0 100 0 i
ルータ2では、問題なく全てのルートが受け取れていますね。よかった、よかった。それでは、ルータ3は?
【RT3】
RT3#show ip bgp
BGP table version is 4, local router ID is 10.1.1.3
・
・Network Next Hop Metric LocPrf Weight Path
*> 10.1.1.2/32 10.10.2.2 0 100 0 i
*> 10.1.1.3/32 0.0.0.0 0 32768 i
やはり、ルータ3でもルータ1で生成した「10.1.1.1/32」のルートが受け取れていないですね。なんででしょうか?今までの授業をちゃんと受けている方は、そろそろ気付きますね。とりあえず、ルーティングテーブルの確認に進みましょう。
show ip route
それでは、ルーティングテーブルの確認をしましょう。ここでは、BGPで受け取ったルートに対してだけ確認していきます。
RT1#show ip route
10.0.0.0/8 is variably subnetted, 3 subnets, 2 masks
C 10.1.1.1/32 is directly connected, Loopback0
B 10.1.1.2/32 [200/0] via 10.10.1.2, 00:08:34
C 10.10.1.0/24 is directly connected, FastEthernet0
【RT2】
RT2#show ip route
10.0.0.0/8 is variably subnetted, 5 subnets, 2 masks
C 10.10.1.0/24 is directly connected, FastEthernet0
C 10.10.2.0/24 is directly connected, FastEthernet1
C 10.1.1.2/32 is directly connected, Loopback0
B 10.1.1.3/32 [200/0] via 10.10.2.3, 00:09:12
B 10.1.1.1/32 [200/0] via 10.10.1.1, 00:09:42
【RT3】
RT3#show ip route
10.0.0.0/8 is variably subnetted, 3 subnets, 2 masks
C 10.10.2.0/24 is directly connected, FastEthernet0/0
B 10.1.1.2/32 [20/0] via 10.10.2.2, 00:10:47
C 10.1.1.3/32 is directly connected, Loopback0
やはり、先程の「show ip bgp」で確認した内容と同様で、ルータ1にはルータ3で生成したルートが、ルータ3にはルータ1で生成したルートが配布されていないことが確認できますね。理由はなんでしょうか?そろそろ答えを言いますね。それは、「iBGPピアから受信したルートは、他のiBGPピアには伝搬させない」というルールがあるからです。これによりルータ2は、iBGPピアであるルータ1から受信したルートをiBGPピアであるルータ3には配布しなかったのです。それでは、どうしたら配布してもらえるのでしょうか?それは、次回の授業で教えます。
まとめ
今回の授業は、iBGPのみの構成で解説してきて、まだ想定通りのルーティングにはなっておりませんが、長くなってしまったのでここまでにします。今までの授業で学んできてことだけで授業をしてきていますが、理解しきれていない方は、過去の授業を振り返ってみてください。きっと、理解できるはずですよ。それでは、次の授業で想定通りのルーティングに直していきましょう。
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