BGPの概要 ~基礎編③~

ベル

今回の授業は、BGPの中でも同じAS内でネイバー関係を確立する「iBGPの特徴」について教えていこうと思います。ここまでの授業を受けていただいていることが前提となりますので、まだ受講されていない方はこちらから。

 

BGPの授業

BGPの概要 ~基礎編①~

BGPの概要 ~基礎編②~

 

iBGPの特徴

冒頭でも話しましたが、iBGPとは同じAS同士のBGPネイバー関係を言い、『Internal BGP』の略となります。このiBGPの特徴から説明していきたいと思います。

 

 

 

直接リンクでなくても、ネイバー関係は確立出来る

1つ目の直接リンクでなくてもネイバー関係が確立出来ると言うのは、今までに教えてきたEIGRPやOSPFなどにはない概念となります。思い出してもらえば分かると思いますが、ネイバー関係を確立するためには同じセグメントに所属する機器に限られていたはずです。

 

これは、EIGRPで言うとネイバー関係確立にしようするパケットがマルチキャストパケット(224.0.0.10)を使用しているため、セグメントを越えてネイバーを探すことが出来ないからです。しかし、BGPで使用されるパケットは、ユニキャストであるため、セグメントを越えることが出来るのです。また、その際に使用されるTTL(Time To Live)値がiBGPでは『255』を使用しているので、255ポップまではセグメントを越えてネイバーを探すことが出来ます。ちなみにeBGPも同じユニキャストを使いますが、TTL値が『1』となっているため、直接リンクでなければネイバー関係を確立できないようになっています。

 

iBGPピアから受信したルートは、他のiBGPピアには伝搬させない

『iBGPピアから受信したルートは、他のiBGPピアには伝搬させない』と言われても、ピンと来ないかもしれませんので、理由と仕組みについて解説していきたいと思います。まず、このような仕様にしている理由ですが、これは、iBGP内でルーティングループにならないようにするためです。例えば以下のような構成のネットワークがあったとします。

 

 

この仕組みがなければ、ルータ1からルート(10.1.1.1)をルータ2が受信すると、iBGPピアのルータ3に配布します。その後、ルータ3はルータ4に配布し、ルータ4は、ルータ2にルートを配布してしまいます。これで見事なループになってしまっていることがわかりますね。このようなループが発生しないために、『iBGPピアから受信したルートは、他のiBGPピアには伝搬させない』というルールがあるのです。このルールのことをBGPスプリットホライズンと言います。

 

 

BGPスプリットホライズンの回避策

先に説明したBGPスプリットホライズンは、ループ対策としては正しい動作なのですが、どうしてもiBGPで受け取ったルートを隣接するiBGPピアに配布しなければならない場合もあります。その対策としては、以下の方法があります。

 

 

今回は、BGPコンフェデレーションについては取り上げませんが、以降の設定編で解説しておきたいと思います。

 

iBGPピアのフルメッシュ化

iBGPピアをフルメッシュ化することで、スプリットホライズンによるルート伝搬が出来なくなる事象を解消することでが出来ます。先程も記載した通り、直接リンクで接続している必要がないので、コマンド1つでネイバー関係を確立しておくことで実施できます。しかし、同一AS内に多くのBGPルータが増えてしまうと、その分、ネイバーが増えてしまいます。

 

例えば、3台のルータが同じAS内にいたとして、本来であれば直列で繋げてルートを伝搬出来ればピアは2つで済みますが、フルメッシュ構成になると3つのピアが必要になります。

 

フルメッシュでない構成

 

フルメッシュ構成

 

 

これが10台のルータが存在するとしたら、どうなるでしょうか?答えは、45個(10×9÷2)のピアが必要です。このようにフルメッシュにする構成は、考え方自体はシンプルなんですが、多くのピアが必要になり構成は複雑になってしまいます。

 

 

ルートリフレクタ

ここで登場してくるのが、ルートリフレクタと言う機能です。このルートリフレクタと言う機能は、文字通り、『ルートを反射させる』仕組みとなっており、これを使うことでiBGPピアから受け取ったルートを、次のiBGPピアに伝搬することが可能となります。例えば、先程使った構成を見てください。

 

ルートが伝搬されない構成

 

フルメッシュ構成

 

 

ルートリフレクタ構成

 

 

このようにして、ルータ2からルータ3が受け取ったルート(10.1.1.1/32)をルータ4にリフレクトしてくれるようになります。この際に、先に説明したフルメッシュ構成は必要なくなるため、構成もシンプルになります。ただし、ルートリフレクタとして機能しているのはルータ3ですので、仮にルータ4の後ろにiBGPピアのルータがいたとしても、ルートは伝搬されませんのでご注意を!

 

ここまでスプリットホライズンの回避策を教えてきました。間違っていけないのが、スプリットホライズンは良くない機能ではないということです。本来の目的としてはルーティングループを防止する機能であるため、なんでもフルメッシュやルートリフレクタにすればいいなんて考えないようにしましょうね!

 

まとめ

ベル

今回の授業は、いかがでしたか?iBGPの特徴から、よく使われる機能までを解説させていただきましたが、理解出来ましたか?少し大きなネットワークでiBGPを使うとルートリフレクタは、使われることが多くなります。実機で検証してみて、理解を深めるようにしましょうね!

 

 

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