VTP(VLAN Trunking Protocol)の概要 ~基礎編②~
今回の授業は、『VTP(VLAN Trunking Protocol)の基礎』の続きを教えていこうと思います。今回は、前回の復習とVTPプルーニングのみになりますが、次回に向けて少しでも理解を深めてもらえればと思います。
復習
それでは、VTPの基礎編①の復習をしておきましょう。そもそもVTPとはVLAN Tranking Protocolの略で、Cisco独自のプロトコルであることは勉強しましたね。そのVTPにはモードが3つあり、サーバモードで動作しているスイッチがVLANを作成し、同じグループに属する他のサーバモードやクライアントモードにVLAN情報を配布して、データベースを共有するための機能でした。ちなみにトランスペアレントモードは、データベースは同期しませんが、他のスイッチには情報を転送するモードでしたよね?思い出しましたか?
共有するために使用されるのがスイッチ間のトランク設定なのですが、そのトランクを設定し、すべてのVLANを透過させるデフォルト設定で接続すると、作成されたすべてのVLANが通信可能となります。
VTPプルーニング
ここで気付かれる方もいるかもしれません。「全てのVLANって無駄じゃない?」って思われたりしませんか?そうなんです。同じグループに属したがために、グループ内で使ってもいないのにVLANが広がっていく可能性があるのです。これだと、せっかく自動化出来たのに、無駄なトラフィックが流れてしまってがっかりですね。。
しかし、ここで登場するのがVTPプルーニングという機能です。明らかに使用しないスイッチには、不要なVLANを流さないようにできるのです。たとえば今回の構成ですと、スイッチ1とスイッチ2ではVLAN10とVLAN20を使用していますが、スイッチ3はVLAN20しか使用しておりません。それは、他のアクセスポートでVLAN10をアサインしていないからです。そのため、スイッチ3にはVLAN10をトランクで流す必要がないことがわかりますね。
その場合、スイッチ3はVLAN20だけをスイッチ1から受け取り、VLAN10は流れてこないようになります。このような機能を使用することで、無駄なトラフィックを減らすことが可能となります。
VTPプルーニングの注意点
VTPを使用するのであれば、VTPプルーニングは有効にしておく方がいいですが、VLAN情報のやり取りで使用されるVLAN1(デフォルト)は対象になりません。そのため、VLAN1は業務用として使用するのではなく、管理用としてアサインしておくことをおすすめします。
お勉強の準備
あまり商品の紹介ばかりになってしまって申し訳ないのですが、次回のVTPのお勉強で必要となるのが、Cisco製のスイッチとなります。L2SW機能があれば問題ないので、お持ちでない方はご検討をお願いします。
【Catalyst 2960-8TC-L】
基本的なL2機能を勉強するのであれば、この辺の機種で十分です。特におすすめポイントとしては、小型でファンレスということです。自宅ラボでは大きい型は邪魔になりますし、何と言ってもうるさいのは嫌ですよね?小型の機器であればファンがないので静かに使用することができるので、かなり助かります。
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【Cisco 1812J】
毎回のように紹介させてもらっていますが、Cisco1812Jですね。これであれば、L2SWの機能もある程度は網羅出来ているので、お勉強教材にはもってこいです。今回のVTPも対応しているので、L2SWを購入するよりもいいかもしれないんですね。
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【Cisco 3560-8PC-S】
最後はCiscoのL3SWですね。上記の機器に比べると、少し高額になりますが、Cisco製のL3SWで一番のおすすめ機種ですね。L2SWの機能とルータ機能(一部)を持ち合わせたのがL3SWです。ルータ機能の一部と言っているのが、NATやQoS、VPNなどができませんが、基本的なルーティング(スタティック、EIGRP、OSPF等)はIOS次第ではありますが、対応できるようになっています。
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まとめ
今回の授業は、いかがでしたか?次回の設定編に向けてVTPの復習と新たにVTPプルーニングを中心に授業をさせていただきました。VTPは、あまり使われない機能であるがゆえに知らずに設定していることがあります。そのため、知らない案件に参画したら、設定が入っていて全機器変更なんて怖いこともありますので、しっかり知っておきましょうね!
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