ネットワークエンジニアのお仕事を知ろう!
ネットワークエンジニアのお仕事ってどんなことをしているのかについて紹介します。
よくイメージされるエンジニアの仕事は、『システムエンジニア』や『プログラマー』の仕事であることが多いです。そこでインフラエンジニアの一種である『ネットワークエンジニア』のお仕事をご紹介しましょう!
Contents
要件定義 ~ネットワークに要件はない!~
ネットワークエンジニアの要件定義とは、『どのようなネットワークを作るか?』、『どのくらいの回線帯域を確保するか?』を検討することではないのです。というのは・・・、
じゃあ、要件定義工程では何をしているのかと言えば、それはシステム担当者にどういったネットワークを必要としているのかをヒアリングをしているのです。ヒアリングする観点は以下の感じです。
通信要件
通信要件とは、簡単に言ってしまうと、『どのサーバとどの端末をつなげるのか?』を整理したものとなります。そのようなマトリクスを『通信マトリクス』と言ったりします。この通信要件に沿ってネットワークを構築したり、通信フィルタを設定したりするので、大変重要な作業となります。
ここで間違ってはいけないのが、通信させたい区間だけを考えるのではなく、通信させたくない区間のことも考えなければいけないのです。今のご時世、セキュリティについて検討するのは必要不可欠になっています。
データ量
データ量とは、サーバと端末間などでどのくらいの取引データを使用するのかを合算したものです。そのデータ量と回線帯域に応じて転送時間が決まります。以下のような感じですね。
この場合であれば、約8.19秒という計算になりますが、同時取引件数が増えると転送に掛かる時間も倍増していきます。この許容できる時間なども考慮した上で回線帯域などを決定していくのです。
データの優先度
優先度という、あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、取引には重要である通信ばかりではなく、それほど急ぎで通信しなくてもいいものもあるのです。そういった取引を後回しにして、優先したい取引を先に終わらせようとする仕組みのことを言います。
その優先度をセグメント単位で決める方式もあれば、ポート番号単位で決めることもあるのです。(ポート番号単位とは、通信するためのルールみたいなものです。例えば、ICMPやHTTP、Telnetなど。)これのように優先度をつけることでむやみに回線帯域を増速する必要がなくなったりするのです。
設計 ~高品質・高パフォーマンスが良いとは限らない!~
前工程で整理された要件をどのように達成するかを検討するフェーズとなります。ここでは、どの機器を使うのか?どんな回線を使うのか?などの大きな設計から、使用する機能の具体的ねパラメータを決める詳細な設計までを行います。
このような大きな設計を『基本設計』や『概要設計』なんて言ったりします。また、具体的なパラメータを決める設計を『詳細設計』や『パラメータ設計』なんて呼んだりしますが、案件規模によっては、これらをまとめて実施したりします。
お金をかけて高品質・高パフォーマンスなネットワークを作っても、ユーザが喜んでくれるとは限りません。あまり重要でないシステムに関しては、低品質でいいので低コストで作ってもらいたいということも、よくあることなのです。自分よがりのネットワークを作らないようにすることもエンジニアとして重要な要素となります。
とはいっても、ここで設計した内容が後工程に大きく影響しますので、検討漏れ・設計ミスなんてことが起こらないように、有識者レビューなどは入念に行う必要があります。
構築 ~必ずバグがあるということ!~
設計した内容を、ネットワーク機器に実装するフェーズです。ここで初めてコマンドというものを入力して設定していくのです。
企業に導入する機器なんだからバグなんてないと思っている人が多いのですが、全ての機器(OS)にはバグがあります。そのバグを踏まないようにするために、必ず検証をするのです。一番理想的なのは、すべての機器を本番環境と同じ物をそろえて検証するのが一番ですが、そうできないのが実態です。その場合は、どこまで検証するのか、どこまで検証できたのかをまとめておくのが大切です。
検証が終わったら、実際に導入する機器をデータセンターなどに持って行って、機器搭載・ケーブル配線をしていくのです。その際は、フリーアクセスという底上げの床などを剥がして、ケーブル配線をしたりします。
データセンターとは、企業などで取り扱われる情報を集中して管理する施設のことを言い、ここに売り上げや利益だけでなく、社員情報、顧客情報や仕事する上で必要なファイルなどが全て保管されています。このような重要な情報を一箇所にまとめて、セキュリティ対策や可用性管理を行うことが主流となっています。(最近は、徐々に変化して来てはいますが。)
【構築・試験フェーズで考えること!】
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運用、保守 ~機器は壊れるということ!~
構築までが、ネットワークを作るお仕事ですが、作ったらおしまいではないのです。作ったものを安定運用させる必要があるのです。実は、こっちの方が重要なんですね。エンジニアのお仕事って作ることがクローズアップされることが多いのですが、実際に重要なのは運用・保守なんです。
大体、要件定義から構築が完了するまでが、1~2年程度のプロジェクトであることが多いのですが、運用される期間は5~10年となります。構築の期間と比べても5倍以上もあるんです。この期間を安定稼働させることの方がはるかに大変で重要となるのです。
機器が壊れた際に、如何に速やかに対処するのかが重要となるのです。その対処次第で、ユーザからの信頼を損失することになり、最悪の場合、今後のビジネスが失われることにもつながるのです。そのようなことにならないように、事前にユーザと取り決めをしておいたり、関係者とネゴっておく必要があるのです。
【Catalyst 3560-8PC-S】
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まとめ
今回の授業はどうでしたか?
ネットワークエンジニアのお仕事について、少しはイメージしてもらえたでしょうか?なかなかネットワークエンジニアの仕事は知られていません。そのため、常にネットワークエンジニアは不足しています。ここで知識を身につけて、素晴らしいネットワークエンジニアになってもらえたらと思います。
【自宅ラボのススメ】
商品紹介
ネットワークエンジニアとして仕事していく上で、必要となる商品を紹介させていただいています。よかったら、こちらも読んでみてください。きっと何か面白いものが見つかると思いますよ!
データ容量の計算が間違ってませんか?1024 B(byte)=1KB なので、100KBは、
100KB=100*1024*8=819,200bitになると思います。
コメントありがとうございます。おっしゃる通り、全然違う計算式が入っていました。
そもそも100MBで計算しておくところでしたので、819,200,000bitでした。混乱させてしまって申し訳ないありませんでした。